給水を必要とする様々な機器に手軽・便利に配管できるパーツです。長さや曲げる形状を現場に簡単に合わせることができ水道の蛇口・給湯器・食器洗い機・トイレのタンクなどで利用されています。
フレキの種類と特長
巻フレキ |
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カットフレキ (定尺フレキ) |
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配管時に誤った使い方をすると漏水します。以下の点にご注意ください。
同じところを何度も曲げたり伸ばしたりしますと、金属疲労により管に亀裂が入って破損し水漏れしますので、「最小の曲げ回数」で取り付けましょう。
ナットの脇からいきなり曲げますと、つば面の平面性が失われる原因となり、その隙間から水漏れします。つば面の平面性を保つために、ナットのすぐ脇から曲げないようにしましょう。
どれだけ小さく曲げられるかの目安を示すものです。
例)外径Φ16mmのフレキ管の場合 最小で半径48mmの円に沿って曲げられます。
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90度に曲げたい場合です。 いきなりカクッと曲げるのではなく、写真のようなイメージでゆるやかに曲げて下さい。 |
巻きフレキを使って、つば出し加工をする場合は山三つ分をプレスして潰します。その際、プレスの厚みは2~2.5mm程度が目安です。プレスが不足しますとパッキンの当たり面の平面度不足で水漏れの原因になります。反対に強くプレスしすぎるとつばのエッジ部分が耐え切れずにヒビ割れしてしまい、そこから水漏れししてしまいます。
フレキに使用するパッキンはゴムやノンアスなどの種類があります。一般的にはEPDMという合成ゴム製のパッキンが多く使われています。そして同じEPDMでも硬さに差があり数字で表します。「硬度70度」や「硬度85度」などと呼び、数字が大きくなるほど硬くなります。
ノンアスベストパッキンはゴムより固く、高温への耐久性が優れお湯をメインに流す場合に使われます。
やわらかいパッキン | 固いパッキン | |
水密性 | 高 | 低 |
締め付けたトルク | 小 | 大 |
締めすぎた場合 | 変形・減失 | 割れ |
補 足
必要以上に締めすぎた場合はトラブルの元になります。
フレキのつば面と接続相手のパッキン当たり面が出来るだけ平行になるようにフレキを曲げて調整して下さい。面同士が斜めになったままナットで強引に締めこむと、パッキンが変形する原因になります。強く締めても漏れる場合は、パッキンがずれたり変形していることがほとんどですから、そのような場合は無理に締めこまずに一旦外し、(パッキンが傷んでいるようなら新しいものに交換して)やり直してください。
配管作業例
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左の二点間のフレキ配管作業の例です。 |
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巻きフレキを使用する場合は、フレキ管のカットとつば出しの作業が必要で、それぞれカッターとつば出し工具が必要です。つば出し工具には写真のようなレバー式の他、ハンマーで叩くタイプなど何種類かのタイプがあります。 |
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長さを決めたらパイプをカットします。この時両端のつば出し分は短くなることに留意してください。カットは必ず谷部で、2~3回まわす毎に少しずつ締めこんで行きます。ここで、バリが出たり、歪んだりしないように綺麗に切ることが重要です。綺麗に切らないと、綺麗なつば出しが出来ません。 フレキの切り口は非常に鋭利です。怪我に注意! |
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切ったパイプをこのように大体の形に曲げておきます。 |
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ナットを通して両端をプレスします。ナットを入れ忘れたり、方向を間違えたりしないように注意。このときに、つばの厚みが、大体2~2.5mm程度になるようにプレスします。最後の一押しに、より大きな力が必要なので、このつば出し工具は二段式になっています。2.5mm程度の厚みまで押すと、綺麗な平面のつば面になります。カットフレキの場合は、このようなカット・つば出しが不要です。 |
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フレキ管の曲がり具合を微調整し、フレキのつば面が出来るだけ接続相手のパッキン当たり面と平行になるようにします。両端とも同時に平行が出るように調整して下さい。こうすると、パッキンの変形などのトラブル防止になります。これが出来れば、配管はほぼ成功です。 尚、片方のナットを固定してからフレキを曲げるやりかたはトラブルの元になります。 |
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フレキのつば面、パッキン、接続相手がなるべくずれないように注意しながらナットを締めこみます。締め付けトルクは上記説明を見て下さい。最後に水を通して漏れのないことを確認します。すぐにわかる水漏れのほか、染み出してくるような僅かな漏れもありうるので、通常通りの水圧をかけたまましばらく観察しましょう。これで配管作業は完了です。 |
水道用フレキのサイズや基準についてご説明します。
フレキのサイズ(太さ)については次の通りです。
ナットのネジ規格 | G(PF)13 | G(PF)20 |
呼び方 | 13㎜ 又は 1/2インチ 又は 4分 | 20㎜ 又は 3/4インチ 又は 6分 |
また、20のフレキの外径は20ミリで問題ありませんが、13のフレキの外径は同じネジ規格でも16ミリと16.8ミリの二種類が存在します。機能上は同じですが、使用する袋ナットはそれぞれ区別しないといけません。
水道用ステンレスフレキは主に給水用途に使用します。給水に使用するうえで体内への影響も踏まえ、有害な化学物質が水中に溶け出さない事が求められます。そこで現在ではJIS S3200-7という検査規格に適合したものが水質安全基準を満たしているとされています。
通常フレキは水圧1.75MPaに耐えるように作られています。おおよそ1cm2に17.5kgの圧力が加わる状態です。なお、一般の水道圧は0.3MPa程度です。
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